物流とバーコードシステム - BHT端末を買ってみた(2) 開発方法
ハンディターミナルはパソコンと一緒。ソフトがなければ動きません。
当社がやりたいことは
● ハンディターミナルで出荷番号をよみとると、画面に次のデータが表示される。
- 品番
- 品名
- 数量
- 残数量
- ロケーションコード
● ピッカー(出庫する人)は表示されたロケーションにいって該当商品をスキャン。合っていれば数量を入力し、残数量を確認して合っていれば担当者名、完了時刻とともに完了報告データを送信
というような業務です。これを実現するにはどうすればいいのかを調べました。
簡易開発パッケージを使ってみた
ハンディターミナルを導入するに当たってソフトはどうしよう?と聞くと、各メーカーからは簡易開発パッケージ(ジェネレータ)が紹介されました。
- カシオ EASY-EX
- デンソーウェーブ Advanced PackⅡ
基本的なソフトがあらかじめついていて、部品を組み合わせれば、自社の業務に合わせたアプリケーションが簡単に作れる、というものです。
試してみました。やはり使えるシステムを作るのは結構難しいです。ハードとシステムの内部をある程度理解していないと、使いこなせないと思いました。また細かな設定が出来ないので、端末の機能をフルに活かせそうになく、うちのニーズを満たすのは無理でした。
同様に、すぐに使えるソフトをバンドルして販売している会社もありました。データを収集することはできますが、マスターを参照して即時の検品・照合をしたい当社のニーズにはあいませんでした。
いずれの方法も、ハンディターミナルで情報を蓄積し、後からパソコンにダウンロードしてエクセルで整理・処理を行う、という仕組みです。しかしこれではPC作業というもう一手間が必要で、結果が出るまでに時差もかかります。期待しているような「だれがやっても効率よい検品」という目標は達成できそうにありません。
パッケージソフト・ASPサービスを検討してみた
ハンディターミナルを前提とした在庫管理ソフトが販売されています。いくつか調べて見ました。多くのものには希望の操作は組み込まれ、やりたいことが実現できそうです。
問題は価格と互換性。価格は数百万円程度(ASPは月額30万→年間360万円、という感じ)。創業時など、イチから在庫システムを作る場合には魅力的です。
しかし既存の磨き上げた自社システムがあるところに、あらたに在庫管理システムに数百万かけて、新たにゼロから運用精度を高めていく、という方法はどうももったいないと感じました。やはり既存の自社システムを拡張する形でハンディターミナルを導入していきたい。
開発スタイルの決定 ~
端末はデンソーウェーブ製に
そうなると、端末メーカーを選ぶよりも、実は開発してくれるところを見つけることが大事だということが分かってきました。
メーカーや販売店は(手離れよく台数をこなしたいので?)簡易ツールで押してきますが、それでは希望の処理ができない。 しかしハンディターミナルのプログラミングには癖があり、レーザーで読み取る、ブルートゥースで印刷するなどのハンディ個々の組込系制御になれているプログラマはそういません。( この小さなハンディのプログラミングで何人月、という案件はそうもないので、そもそもハンディターミナルを扱うシステムハウス自体が多くないということらしい。)
在庫処理のロジック部分などは自社で作るとして、ハンディの制御まわりが分からない。。。どうしよう。。。悩んでいることをあちこちで相談していると、なんということでしょう、「わたしがデンソーでBHTBasicのマニュアルを書いてました」という、ハンディ開発一筋のプロに巡りあうことが出来ました。
CEよりもBHTかな~と思っていたところにこの出会い。これも何かの縁。この人に教わりながら作っていこう、と決めたことで必然的にマシンもデンソーBHTに決定。いよいよ開発を進めることになりました。
次回、端末のインターフェースなどに続く